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はつゆきさくら レビュー ~White Graduation~ 

2012年03月04日 ()

はつゆきさくら 初回限定版【予約特典:スペシャルサウンドトラック付き】 タイトル    はつゆきさくら
 メーカー   SAGA PLANETS
 発売日    2012年2月24日
 シナリオ   新島夕
 原画       ほんたにかなえ , とりのすけ , ちまろ
 音楽      水月遼
 プレイ時期  2012年2月
 プレイ時間  約20時間
 評点      88





 「 卒業、おめでとう―― 」

 そうやって主人公を心から祝福したくなる物語



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◆美少女ゲームと“卒業”

 美少女ゲームに学園が舞台の作品は多くあれど、“卒業”がテーマの作品はそれほど多くない。その中でも“主人公”の卒業となると……それはほとんどない。学校に卒業はつきものだが、男の子と女の子が結ばれることが主眼の美少女ゲームでは卒業はさほど重要ではないのだろう。卒業はあくまで通過点としてエピローグに描かれるくらいだ。卒業を描いている作品でも、主人公のそれよりもヒロインの、主人公と周りの人達の卒業が目立つ。
 そんな中、本作『はつゆきさくら』は主人公の“卒業”を絶えず意識して描いている。それは各ルートで強調する卒業式とルート開始直後のランと主人公のやり取りによって。5分にも満たない回想だが、これが主人公の入学と卒業の大切さを色濃くしている。


◆卒業の難しさ

 学校を卒業すること、多くの人は何のこともなく卒業できていることだろう。私も大した労もせず、卒業できたクチだ。しかし、私の周りを振り返って見ると決して皆が皆卒業を迎えているわけではない。問題を起こし退学した高校の友人、単位不足や進路の事情により退学していった大学の先輩後輩達、振り返って見るとそんな人が何人もいた。そういった人達は卒業を迎えることなく去っていった。学校を卒業することが必ずしも人生の正解ではないが、卒業したくてもできなかった人を見ると、共に通っていた身としては寂しくもある。
 卒業とは決して簡単なものではない。


◆復讐と卒業

 本作では卒業を描くにあたって、主人公に決して卒業が叶わない障害を与えている。それは「復讐」である。主人公は愛する人を奪った者達への復讐のため、ゴーストの王となりゴースト達の復讐を成し得ようとする。復讐を行おうとすると卒業は叶わない。彼が卒業するためには自身の復讐と決別しなければならないのだ。
 本作は卒業の物語であると同時に復讐の物語でもある。最終的に物語は卒業に向かって収束していくが、話を動かしているのは終始復讐である。本作の舞台は復讐で満ちている。過去の不幸な事件により積み重なった復讐の想いは新たな復讐を生んでいく。1周目、復讐の妄執に取り付かれた主人公はトリガーとなり、街の破滅を引き起こす。続く2周目以降のアキラ、あずま、妻もまた復讐を成そうとする。そんな彼らがどうやって復讐を想い止めたか? ここで物語の全てを知る者「宮籐」の言葉を借りる。

痛みは正しく循環しなければならない
痛みを受けたならば……1人で抱え込まずに、その痛みを、誰かに受け止めてもらわなければならないのです
ため込み続ければ、やがて邪念に心を侵され、気付かないうちに、ゴーストに変貌してしまうでしょう


我々は忘れない。けれど、今を、生きるためには、復讐に囚われ続けては進めない。平穏は訪れない
自らのうちにある、無念を、義理を、けじめを。いくつもの、心を殺しながら……何食わぬ笑顔を浮かべて、生きなければならないときがある
それが大人というものです。社会に生きるということです

Chpter7 宮籐 


誰もが行き場のない想いを抱えている。その行き場のない想いを1人で抱え込もうとすると、それは復讐へと変わってしまう。そんな気持ちを低減するには誰かに受け止めてもらうしかない。そして、その想いと決別すること、それが大人になること。学園を卒業し、社会に出て行くことにつながるのだ。


◆主人公の卒業

 本作は、復讐との決別、そして決別後の卒業の流れがうまくいっていた。妻の復讐への決別、主人公の痛みを受け止めていった仲間達はとてもよかった。最後の最後、復讐に囚われていた主人公が復讐と決別し、自分の進むべき道を歩み出した時、彼はようやく卒業できたのだ。
 だからこそ主人公が卒業式を終えた後のキャラクター達とのやり取りへの感動につながる。

 「初雪から桜まで、卒業、おめでとう」

 初雪と桜、彼らは自身に取り付くゴーストから解放され、復讐と決別することができた。
 桜はゴーストだが、彼らなら卒業後も彼らの人生を歩んでいけることだろう。






 ……そして、これから卒業を迎えていく後輩達には「おめでとう」の言葉をかけてやりたい。
 大学を卒業するくらいどうということはないかもしれないが、それはとても大切なことのように思う。



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[2012.03.04(Sun) 20:50] はつゆきさくらTrackback(0) | Comments(0) 見る▼
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はつゆきさくら 体験版 感想 

2012年01月14日 ()

はつゆきさくら 初回限定版【予約特典:スペシャルサウンドトラック付き】 タイトル    はつゆきさくら
 メーカー   SAGA PLANETS
 発売日    2012年2月24日
 シナリオ   新島夕
 原画       ほんたにかなえ , とりのすけ , ちまろ
 音楽      水月遼
 期待値    80



ネタバレ注意!

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 これは公式詐欺だろ (いい意味で)


 公式サイトの紹介やデモムービーを見た感じでは普通の学園もの…………なのですが……体験版をやってみるとその中身はオカルトもの。「ゴースト、幽霊」と都市伝説系の話をばらまいていく話で、公式の紹介から受ける印象と本編の内容が180度違っていて焦りました。
 こんな話をやるんだったらはじめからそう言ってくれればいいのに……。体験版最後のオープニングムービーで

 俺はもう、春には至れなくてもいい
 それよりも、最後の冬に、はじめよう
 復讐を――


と出てきた時、発売日に特攻することが確定しました。体験版のあらすじを見せてくれたら、体験版をやるまでもなく予約しにいったのに……広報的にはユーザーを驚かしたい感じなんでしょうかね。

 体験版で一番私の興味を引いてくれたのは「復讐をはじめよう」とか言ってくれる主人公。復讐の対象がメインヒロインという構図がたまらないです。

 ●主人公はゴーストの王≪ゴーストチャイルド≫。
  家族を殺したコノハサクヤ(ゴーストを狩る者)に復讐するため、行方を捜している。

 ●メインヒロインはコノハサクヤのパートナー。
  街を滅ぼす存在≪ゴーストチャイルド≫の行方を捜している。


 主人公が「復讐」という明確な目的を持っているので、ぶれないストーリーができそうです。体験版部分ではヒロイン達に見向きもしなかった主人公がどうやってヒロイン達に攻略されていくのかが楽しみです。テーマになってくるであろう副題の「White Graduation」とかけて「卒業」を絡めていいお話にして欲しいですね。ヒロイン5人分のシナリオを用意できるかどうかは難しいところですが、そこはがんばってもらいましょうか。
 気にかかったのは、話のつなぎ方やキャラクターの言動に不自然な点が目立ったところ。キャラクターの正体や世界設定を伏せている節もあるので仕方ないところもあるのですが、「?」が浮かぶ場面が多かったのではじめはややしんどかったです。まあ、そんなことが気にならなくなるくらい後半ストーリーが加速していくのに期待しましょう。

 サガプラの前々作『ナツユメナギサ』レベルのシナリオを期待したくなりますね、これは。ナツユメの時のように設定を作り込められたらかなりいいとこいくんじゃないでしょうか。



 「はつゆきさくら」応援CHU!!




 余談1

 最近、サガプラのキャラデザがどんどん自分の好みになってきていてヤバイです。ほんたにかなえの絵が特に。ナツユメの時はそこまででもなかったんですけど、キサラギの時から彩色が私の好みになってもう絵だけで買ってしまいそう。



 余談2

 『はつゆきさくら』の体験版感想のついでに、途中まで書いて放置していた『ナツユメナギサ』のレビューを書き上げて公開しておきました。シナリオについて語ってるレビューとキャラクターについて語っている感想の二本立てです。

 ●ナツユメナギサ レビュー ~「ユメ」が達成した最高の結末~
 ●ナツユメナギサ 感想 ~ナツユメで一番可愛いのはもちろん……



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[2012.01.14(Sat) 19:22] はつゆきさくらTrackback(0) | Comments(1) 見る▼
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