ef - the first tale. / ef - the latter tale. レビュー 〜ef - a fairy tale of the two.〜
2008年06月24日 (火)
![]() | タイトル ef - the first tale. / ef - the latter tale. メーカー minori 発売日 2006年12月22日 / 2008年5月30日 シナリオ 御影 , 鏡遊 原画 七尾奈留 , 2C=がろあ 音楽 天門 プレイ時期 2006年12月 / 2008年6月 プレイ時間 約10時間 / 約20時間 評点 95 |
『BITTERSWEET FOOLS』、『Wind -a breath of heart-』、『はるのあしおと』に続くminori第4作目となるインタラクティブノベル。 『BITTERSWEET FOOLS』で“物語”を描く事を、『Wind -a breath of heart-』で“情景”を焼き付ける事を、そして『はるのあしおと』では演出の深化により“心”を込めることを、インタラクティブノベルという表現媒体で成し得てきたminori。
そのminoriのインタラクティブノベルの一つの到達点として作られた作品、それが本作『ef - a fairy tale of the two.』である。そこにはminoriが目指すインタラクティブノベルの一つの完成形が見られた。
efの物語は御影氏と鏡遊氏のテキストで綴られていく。本作の彼らのテキストは描写を極力控えプレイヤー物語の傍観者としてうまく位置づけるように作用させている。また、作品のシナリオについても非常に良くできていた。何よりも全編を通して見た時に話がしっかりとできているのがすばらしい。どの章もテーマを見事に描ききっていた。そして、特にlatter tale.の物語の収束(4章から終章)に向かっていく流れやラストシーンは非常に良かった。
その物語の情景を美麗なグラフィックの数々で描く。特にグラフィックにおいてはその圧倒的なCGの量もさることながら、その質も非常に高い。そのあまりにハイクオリティなグラフィックに見惚れてしまうこともしばしば。背景とCG彩色の美麗さは業界随一ではないだろうか。
さらに、そのハイクオリティなグラフィックに負けないくらいムービーもすごい。新海誠のムービーは神。
そして、場の情感に合った流麗なBGM。音羽というヨーロッパ風の町並みの雰囲気、efという世界の雰囲気が良く出ている。
また、ゲームのシステムにおいても特に大きな不備は無く、十分快適にプレイできる。
そして、それらをつなぎ合わせ作品の形にする演出。これは、映画的手法を取り入れたminori特有の表現スタイルである。このminoriの演出における方向性は、作中でもそれとなく言われている。
『 物語そのものは平凡でもかまわない
どこにでもありそうな身近な話を絵と計算しつくした演出で印象付ける
それが「新堂凪」の目指しているもの 』
1章主人公”広野”のモノローグより
これがminoriの目指しているものだろう。膨大な量のCGをその場面場面に適した構図で用意し、一つ一つのシーンを作っていく。質の高いCGを大量に用意するというのは並大抵のことではないのに、それを成し遂げたminoriはさすが。さらにそのシーンをどう見せるか、カメラのフレームワークであったり、エフェクトのかけ方、間のとり方など、1シーン1シーン、1カット1カットが非常に丁寧に作られている。この丁寧な演出が本当にすばらしく、作品の質を高めている。
efは、脚本・原画・彩色・サウンド・システム・ムービー・演出など各スタッフの持てる力を結集して作られた作品だった。これらの要素全てがうまく組み合わされたefはまさにノベルゲームの一つの完成系と言ってよいだろう。
ef - a fairy tale of the two.
まさに傑作でした。
これほどの作品を世に送り出した製作スタッフに感謝。
最後に『ef - a fairy tale of the two.』について (以下ネタバレ注意)
『ef - a fairy tale of the two.』
まず、この”ef”とは、製品版のパッケージより
「それは幾つもの”永遠をつむぐ”、おとぎ話という名の物語」(first tale.パッケージ裏面より)
「そして永遠が紡ぐ”おとぎ話”は、忘れえぬ翼となる」 (latter tale.パッケージ裏面より)
おそらく”永遠”の意が近いだろう。first tale.の主題歌「eternal feather」、latter tale.ED曲の「ever forever」、latter tale.の副題「na eternity their memories face.」からもその意が汲み取れる。他にも「emotional flutter」という意味もあるかもしれないが、私は”ef”はこの”永遠”の意を示していると考えている。
一方、 ”a fairy tale of the two”には当てはまるものがいろいろとある。
この作品では、いろいろな2つがあって、それぞれが対になっている。例えば、広野とみやこ、堤と景、蓮治と千尋、久瀬とミズキであったり…。けれどその中で私は、”2つの音羽(火村と優子)のおとぎ話”が最もふさわしいのではないかと思う。この物語の主役を飾る二人が一番ふさわしいのは間違いない。
そんな”ef”の物語で、全体を通して描かれているのは、エンディングで表示されるこの一文
『 It is a story of ”Will”. 』
すなわち”意思”の物語である。
1章では、夢を叶えるため、愛する人を守るための強い”意志”を持つことの大切さを
2章では、傷ついても再び立ち上がる”意思”を
3章では、たとえどうしようもない状況でも諦めず、希望を掴み取る”意思”を
4章では、未来に向かって最後まで精一杯生きていく”意志”を
それぞれ描いている。そして、全エピソードで関わってくるミズキ。このミズキがfirstとlatter、二つの音羽をつなげている。そして、ミズキが火村にその”意思”を伝え、雨宮優子とのつながりを話した時、物語は一つの結末へと収束していく。
いくつもの”fairy tale”から、”ef”という名の永遠へと向かって―
その物語の結末は―
それぞれの音羽でそれぞれのおとぎ話という名の物語を紡いできた火村と優子の二人。
彼らは元の音羽の街で再開する。
火村は、贈れなかったプレゼントを贈り、言えなかった言葉を伝える。
果たせなかった約束を果たした二人。
two becomes one and through all eternity. (EDの一文より)
そんな彼らはこれから一つとなって、永遠の時を過ごしていくのだろう ―
そのminoriのインタラクティブノベルの一つの到達点として作られた作品、それが本作『ef - a fairy tale of the two.』である。そこにはminoriが目指すインタラクティブノベルの一つの完成形が見られた。
efの物語は御影氏と鏡遊氏のテキストで綴られていく。本作の彼らのテキストは描写を極力控えプレイヤー物語の傍観者としてうまく位置づけるように作用させている。また、作品のシナリオについても非常に良くできていた。何よりも全編を通して見た時に話がしっかりとできているのがすばらしい。どの章もテーマを見事に描ききっていた。そして、特にlatter tale.の物語の収束(4章から終章)に向かっていく流れやラストシーンは非常に良かった。
その物語の情景を美麗なグラフィックの数々で描く。特にグラフィックにおいてはその圧倒的なCGの量もさることながら、その質も非常に高い。そのあまりにハイクオリティなグラフィックに見惚れてしまうこともしばしば。背景とCG彩色の美麗さは業界随一ではないだろうか。
さらに、そのハイクオリティなグラフィックに負けないくらいムービーもすごい。新海誠のムービーは神。
そして、場の情感に合った流麗なBGM。音羽というヨーロッパ風の町並みの雰囲気、efという世界の雰囲気が良く出ている。
また、ゲームのシステムにおいても特に大きな不備は無く、十分快適にプレイできる。
そして、それらをつなぎ合わせ作品の形にする演出。これは、映画的手法を取り入れたminori特有の表現スタイルである。このminoriの演出における方向性は、作中でもそれとなく言われている。
『 物語そのものは平凡でもかまわない
どこにでもありそうな身近な話を絵と計算しつくした演出で印象付ける
それが「新堂凪」の目指しているもの 』
1章主人公”広野”のモノローグより
これがminoriの目指しているものだろう。膨大な量のCGをその場面場面に適した構図で用意し、一つ一つのシーンを作っていく。質の高いCGを大量に用意するというのは並大抵のことではないのに、それを成し遂げたminoriはさすが。さらにそのシーンをどう見せるか、カメラのフレームワークであったり、エフェクトのかけ方、間のとり方など、1シーン1シーン、1カット1カットが非常に丁寧に作られている。この丁寧な演出が本当にすばらしく、作品の質を高めている。
efは、脚本・原画・彩色・サウンド・システム・ムービー・演出など各スタッフの持てる力を結集して作られた作品だった。これらの要素全てがうまく組み合わされたefはまさにノベルゲームの一つの完成系と言ってよいだろう。
ef - a fairy tale of the two.
まさに傑作でした。
これほどの作品を世に送り出した製作スタッフに感謝。
最後に『ef - a fairy tale of the two.』について (以下ネタバレ注意)
『ef - a fairy tale of the two.』
まず、この”ef”とは、製品版のパッケージより
「それは幾つもの”永遠をつむぐ”、おとぎ話という名の物語」(first tale.パッケージ裏面より)
「そして永遠が紡ぐ”おとぎ話”は、忘れえぬ翼となる」 (latter tale.パッケージ裏面より)
おそらく”永遠”の意が近いだろう。first tale.の主題歌「eternal feather」、latter tale.ED曲の「ever forever」、latter tale.の副題「na eternity their memories face.」からもその意が汲み取れる。他にも「emotional flutter」という意味もあるかもしれないが、私は”ef”はこの”永遠”の意を示していると考えている。
一方、 ”a fairy tale of the two”には当てはまるものがいろいろとある。
この作品では、いろいろな2つがあって、それぞれが対になっている。例えば、広野とみやこ、堤と景、蓮治と千尋、久瀬とミズキであったり…。けれどその中で私は、”2つの音羽(火村と優子)のおとぎ話”が最もふさわしいのではないかと思う。この物語の主役を飾る二人が一番ふさわしいのは間違いない。
そんな”ef”の物語で、全体を通して描かれているのは、エンディングで表示されるこの一文
『 It is a story of ”Will”. 』
すなわち”意思”の物語である。
1章では、夢を叶えるため、愛する人を守るための強い”意志”を持つことの大切さを
2章では、傷ついても再び立ち上がる”意思”を
3章では、たとえどうしようもない状況でも諦めず、希望を掴み取る”意思”を
4章では、未来に向かって最後まで精一杯生きていく”意志”を
それぞれ描いている。そして、全エピソードで関わってくるミズキ。このミズキがfirstとlatter、二つの音羽をつなげている。そして、ミズキが火村にその”意思”を伝え、雨宮優子とのつながりを話した時、物語は一つの結末へと収束していく。
いくつもの”fairy tale”から、”ef”という名の永遠へと向かって―
その物語の結末は―
それぞれの音羽でそれぞれのおとぎ話という名の物語を紡いできた火村と優子の二人。
彼らは元の音羽の街で再開する。
火村は、贈れなかったプレゼントを贈り、言えなかった言葉を伝える。
果たせなかった約束を果たした二人。
two becomes one and through all eternity. (EDの一文より)
そんな彼らはこれから一つとなって、永遠の時を過ごしていくのだろう ―




個人的には、アニメ2期に期待しています。