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たったひとつしかない選択肢をあえて選ばせる「単独選択肢演出」 

2011年09月26日 ()


 ノベルゲームの多くには選択肢というシステムが存在します。




 究極の選択。でも当然あの選択肢を選びますよね
  通常の選択肢 例 ういんどみるOasis『はぴねす!りらっくす』より


 通常、選択肢というものは、2つ以上提示されます。そして提示された選択肢をプレイヤーが選ぶことによって、その効力を発揮します。その効力は、どの選択肢を選ぶかでその後のテキストが少しだけ変化するというものから、その後のストーリーが全く違うものになるルート分岐のための選択肢まで、様々なものがあります。どんな選択肢を使って作品を構成するか、選択肢をどのように提示するか等々、選択肢演出のおもしろいところです。
 この選択肢、そのどれもが通常は選択肢が複数個存在します。ごくまれに、特定のフラグを立てないと選択肢が追加されずにひとつだけ提示される場合等、特殊な状況もありますが、そのほとんどは複数です。

 ところが、「あえて選択肢をひとつしか提示しない」場合があります。「複数の選択肢の中からひとつを選ばせる」のではなく、「たったひとつだけの選択肢をあえて選ばせる」選択肢演出です。この選択肢演出法、特に呼び名がないので、便宜的に「単独選択肢演出」としておきます。単独選択肢演出の例を以下に示します。


 単独選択肢例
 単独選択肢演出例 ういんどみる『Hyper→Highspeed→Genius』より


 ただ選択肢がひとつしか提示されていない以外に特に何も変わりはありません。この選択肢を選んだ場合(というか選ぶ以外に何もできないのですが)、主人公がその選択をしたということで以後の話が進んでいきます。ただ選択肢がひとつしかない、それだけです。


 さて、ここで気になってくるのが、どうして制作者はこんな選択肢を作中に入れたのか?
 このような選択肢を挿入しなくてもシナリオの進行は問題無くできます。ルート分岐にも使えませんし、後々、フラグが立って選択肢が追加されることもありません。

 なぜ? ということで「単独選択肢」を挿入することによる作品への影響を考えてみました。
 


(1)プレイヤーに選択肢を選ぶという作業をさせること

 選択肢を選ぶというのはプレイヤーにとっては一種の作業になります。ずっと読み進めている中でちょっとした作業を挿入するというのはプレイヤーにちょっとした一息をいれさせることができます。他にも、選択肢を挿入することでただ読み続ける中でプレイヤーに考えるタイミングと時間を与えることもできます。
 また、選択肢を選んでいく快感というものも存在します。単独選択肢の場合そこまで考える必要がないので、連続した選択肢をサクサク選んでいける、というのはなかなか気分が良いです。


 連続単独選択肢(1)
 連続単独選択肢(2)
 連続単独選択肢(3)
 連続単独選択肢(4)
  連続した単独選択肢の例 ういんどみる『Hyper→Highspeed→Genius』より
  (1分間1回の間隔で選択肢が登場します)


 ただし、あくまで物語進行にとって何の意味もない作業です。単独選択肢を無闇やたらに入れたり、挿入するタイミングを間違ったりするとプレイヤーの反感を買うことになります。


(2)プレイヤーの没入度を高め、キャラクターの同調させること

 選択肢を決定するのはあくまでプレイヤーです。キャラクターはプレイヤーが選んだ選択肢に沿って行動します。ここで注目したいのがプレイヤーとキャラクターの関係性。プレイヤーが選択肢を選ぶということはノベルゲームにおいての唯一の物語に介入可能な行為です。プレイヤーを物語に介入させることによって、プレイヤーの物語への没入度を高めることができます。
 また、物語の主視点であるキャラクター(主に主人公)とプレイヤーの意識の同調を促進させるということも可能です。単独選択肢の場合、「プレイヤーがこの状況ならこの選択を取るしかない」と思う選択肢を提示することによって更なる同調を図ることができます。


単独選択肢による同調促進
  同調促進の単独選択肢の例 ういんどみる『Hyper→Highspeed→Genius』より(最後の決断)

 ただし、プレイヤーの意に沿わない選択肢ばかり提示すると、逆にプレイヤーがしらけてしまいます。


(3)作品の特性を活かすための演出(※一部作品に限る)

 今回例に出している『Hyper→Highspeed→Genius』では、主人公が「高速思考」という能力を有しています。無数の思考を平行して行うことができ、一瞬の時間の中で思考を重ねることができる能力です。一瞬で多くのことを考えているという能力を演出するためにも選択肢が使われています。プレイヤーが選択肢を選んでいる時間は、作中に換算すると主人公が高速思考で考えている一瞬になります。主人公の能力を上手く選択肢に活用したというべきか、選択肢に活用するために主人公の能力を高速思考に設定したのかわかりませんが、ノベルゲームの選択肢に適した能力です。高速思考の結果「これしかない!」となれば、選択肢は自ずとひとつになるでしょう。

 光速思考
  高速思考の能力発動時


 他にもループ系の作品だと、主人公が最適な選択肢をわかっているということで「単独選択肢」を出すことが出来ます。



◆総括

 以上「単独選択肢演出」による作品への効力として3項目を検討してみました。
 単独選択肢はうまく使えさえすれば効果的になりそうな、そんな演出ですね。
 あまり頻繁に見かけることはありませんが、ノベルゲームならではのおもしろい演出手法でしょう。







◆おまけ

 今回紹介した以外にもノベルゲームには特殊な選択肢があります。その一例を紹介。


●たったひとつの選択肢しか選ばせない選択肢演出

 ルートかがりんを選びたい
  key『Rewrite』より

 篝火が示している選択肢しか選べないようになっています。


●複数あるように見えて実質ひとつしか選べない選択肢演出

 一番右の上から9番目とか、どうですか?
  ケロQ『素晴らしき日々~不連続存在~』より

 画面一面に選択肢が散りばめられています。
 あなたはどの選択肢を選びますか?

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[2011.09.26(Mon) 23:52] ノベルゲーコラムTrackback(0) | Comments(0)
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