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立ち絵が走る時 ~立ち絵演出考察(2)立ち絵による運動表現~ 

2012年04月08日 ()
 

◆立ち絵が走る時


 ノベルゲームではお馴染みの立ち絵ですが、ここで問題です。立ち絵を使って背景の中の道を走らせるにはどうすればいいでしょうか?


 恋色空模様_立ち絵が走る時_00000



 画面上で立ち絵を画面外に動かすことによって走ることを表現することもできますが……



 そこで、アンジェの出番です!アンジェは廊下に飛び出した


 ここでは道の上を走らせることとします。
 アニメーションを使ってもできますが、ここでは立ち絵を使って走る動作を表現することとします。


 答えはこちら↓












 恋色空模様_立ち絵が走る時_0001
 恋色空模様_立ち絵が走る時_0002
 恋色空模様_立ち絵が走る時_0003
 恋色空模様_立ち絵が走る時_0006
 恋色空模様_立ち絵が走る時_0008
 恋色空模様_立ち絵が走る時_0011
 恋色空模様_立ち絵が走る時_0013
 恋色空模様_立ち絵が走る時_0015
 恋色空模様_立ち絵が走る時_0016




 はい、走りましたー。
 背景奥(画面左上)から手前に向かって立ち絵が移動していっていることがわかります。画像だけだと動くスピードは伝わりにくいかもしれませんが、ゲーム中では結構早く動いていくので走っているというのがわかります。上の画像は走っている様子を断片的に捉えたものになりますが、実際、ゲーム中ではこれがもっと滑らかに走っています。
 立ち絵だけでこんな風に走る状態を表現できるんですね。ちょっと……いや、かなり無理はありますが、走っているというのは十分に伝わります。


 さて、これを実現するためには技術的にどのようなことが必要になるかというと……前回の記事で紹介した「立ち絵配置による舞台形成」をそのまま使っています(プラスで立ち絵の角度指定技術も追加)。キャラクターが走っている地点ごとに立ち絵で場面を形成し、それをつなぎ合わせて走っている様子を演出しています。さらに、つなぎ合わせる際に立ち絵を少しだけ上下させて走っている様子を表わしています(画像からは伝わりにくいかもしれませんが……)。

 立ち絵の配置+つなぎ合わせの演出、『恋色空模様』ではこのふたつを使って立ち絵で動きを表現することに成功していました。



 恋色空模様_立ち絵の運動10001
 恋色空模様_立ち絵の運動10003
 恋色空模様_立ち絵の運動10004
 恋色空模様_立ち絵の運動10007
 恋色空模様_立ち絵の運動10010
 恋色空模様_立ち絵の運動10013
 恋色空模様_立ち絵の運動10021
 恋色空模様_立ち絵の運動10024
 恋色空模様_立ち絵の運動10027
 恋色空模様_立ち絵の運動10034
 恋色空模様_立ち絵の運動10037
 恋色空模様_立ち絵の運動10039


 ヒロインふたりが戦っているシーンです。時間的にはこの動きにだいたい1秒くらいかけています。竹刀を振りかざす子とそれを避けている子の様子を立ち絵でうまく表現しています。立ち絵を拡大縮小させながらの移動とエフェクトを混ぜ合わせることで戦っている様子を演出しています。これだけの動きを表現するにはスクリプトの調整がかなり大変そうですが、それを難なく実現しています。

 このように走る以外にも立ち絵を使った運動表現をいくつも行っていました。
 


 立ち絵を動かして動きを表現する演出自体は他のブランドでも試みられていますが、この「立ち絵の配置+つなぎ合わせの演出」に関しては『恋色空模様』のすたじお緑茶のレベルは他と比べるとかなり高めです。
 このようにして、立ち絵による舞台形成に動きの要素が加わることで表現の幅は格段に上がりました。
 以前より広がった動きの演出で生み出される新しい表現に期待していきたいところです。








◆テキストに取って代わっていく立ち絵 -文章から脚本へ-


 さてこの記事とひとつ前の記事で恋色空模様では立ち絵で様々な表現が行われていることを示しましたが、これによって影響を受ける要素があります。そのひとつがテキストです(※1)。
 立ち絵の配置と立ち絵の動きの演出で表現される前、もともとはテキストがそれらの情報を読み手に伝達する役割を担っていました。キャラクターがどこにいて何をしているかはテキストで表現していたわけです。それが立ち絵で表現されるようになると、当然テキストの該当する描写は削除されます。これは何も恋色空模様に限った話ではなく、立ち絵や一枚絵などの絵による演出が盛んなノベルゲームのほとんどがあてはまります。テキストを絵の表現に置き換えていく流れはそうした作品の中で存在しています(もしくは音声演出によって音(声,SE)に置き換えていくという流れも)。地の文がどんどん減っていてほとんどが会話になっている感じですね。
 
 極論ですが、文章(テキスト)に絵と音がついてできあがっていた昔(※2)と比べると、今は脚本(テキスト)と絵と音があってできあがっているとでも言いましょうか。小説のような「文章」というよりも映像分野のような「脚本」になっています。もともとゲーム内のテキストは全て文章ではなくて脚本だとも言えるんですけど、テキストによる表現が取って変わっていっているのを見るとそう表現したくなります。

 別にテキスト表現が減っていって寂しいとかそういうわけではなくて、テキストでしか表現できなかったものが絵で表現できるようになってきたなぁと。
 表現の選択肢が増えて、いろんなことができるようになりました。
 ゲーム媒体は表現の多様性という意味では広いので、その場その場で最適な表現を目指して欲しいですね。









※1:立ち絵演出重視のノベルゲームではテキストとは別に一枚絵に立ち絵が取って代わっている傾向も少しばかりありますが、それはまた別のエントリーで。
※2:ノベルゲームにおいて今よりもテキストが中心だった時代(10年以上前)。



 参考:立ち絵が座る瞬間 ~立ち絵演出考察(1)立ち絵配置による舞台形成~ -udkの雑記帳-
    テキストウィンドウ考察(1)可変型テキストウィンドウの可能性 -udkの雑記帳-
    恋色空模様 演出考 ~脱紙芝居。紙芝居から人形劇へ。演劇的立ち絵表現の追求~-udkの雑記帳-
    演出論的覚書:Ⅰ章2節:すたじお緑茶の立ち絵演出 -cactus backyard- 




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[2012.04.08(Sun) 19:17] ノベルゲーコラムTrackback(0) | Comments(3)
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COMMENT

汎用絵 by 近代衣服の残響
twitterで仰っていたこの言葉、このブログを通して、「うむ、確かに、こと今に至っては、その方が妥当なのかもしれない」と思いました。

「立ち絵」には「棒立ち」のニュアンスがあったと思います。昔から。
それは差分が今ほどではなかった時代ゆえのことなのですが(つまりはリソースの問題)、こうも演出が変わってくると、ただヌボーっと突っ立って漫才させるだけ、では収まらない……とつくづく思いました。

どこが「後ろ姿立ち絵」のはじめだったでしょうか……(一般的にはぱれっとが始祖、と言われてますが)そのあたりから、紙芝居ノベルゲーの「紙芝居」のあり方が変わってきているように思えます。まるで人形劇のような。

by udk
 見たままを表わすなら「立ち絵」
 機能/制作上の使われ方を表わすなら「汎用絵」

になるでしょうか。立ち絵の使われ方が多様化して立ち絵が様々な意味を持った作品では「汎用絵」と言ってもよいのではないかと考えています。

 一部のノベルゲームの「紙芝居」から「人形劇」への移り変わりについては今回の演出考察シリーズの最後で話題に出すので、楽しみにしていただけたらと。

by 職場のマナー
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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twitterで仰っていたこの言葉、このブログを通して、「うむ、確かに、こと今に至っては、その方が妥当なのかもしれない」と思いました。

「立ち絵」には「棒立ち」のニュアンスがあったと思います。昔から。
それは差分が今ほどではなかった時代ゆえのことなのですが(つまりはリソースの問題)、こうも演出が変わってくると、ただヌボーっと突っ立って漫才させるだけ、では収まらない……とつくづく思いました。

どこが「後ろ姿立ち絵」のはじめだったでしょうか……(一般的にはぱれっとが始祖、と言われてますが)そのあたりから、紙芝居ノベルゲーの「紙芝居」のあり方が変わってきているように思えます。まるで人形劇のような。
[ 2012.04.09(Mon) 02:57] URL | 近代衣服の残響 #- | EDIT |

 見たままを表わすなら「立ち絵」
 機能/制作上の使われ方を表わすなら「汎用絵」

になるでしょうか。立ち絵の使われ方が多様化して立ち絵が様々な意味を持った作品では「汎用絵」と言ってもよいのではないかと考えています。

 一部のノベルゲームの「紙芝居」から「人形劇」への移り変わりについては今回の演出考察シリーズの最後で話題に出すので、楽しみにしていただけたらと。
[ 2012.04.09(Mon) 03:55] URL | udk #QsgttT26 | EDIT |

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
[ 2012.05.09(Wed) 19:11] URL | 職場のマナー #- | EDIT |

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